珪藻土外壁は、その調湿性や消臭性から近年注目されています。
しかし、外壁に使用する場合、メリットだけでなくデメリットも存在します。
この記事では、珪藻土外壁のメリットとデメリットを具体的に解説し、外壁塗装で珪藻土を使う際の注意点について解説します。
□珪藻土外壁とは?メリット・デメリットを解説
珪藻土は、植物プランクトンの化石が堆積してできた、自然素材の一種です。
無数の小さな穴があり、これが調湿性や消臭性に貢献しています。
近年では、バスマットなどにも利用され、その機能性から人気が高まっています。
しかし、外壁材として考えると、メリットだけでなくデメリットも存在します。
珪藻土外壁を採用する際は、メリットとデメリットを比較検討し、慎重に判断することが重要です。
*メリット
珪藻土外壁には、以下のようなメリットがあります。
1:調湿機能
珪藻土は、湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出することで、室内の湿度を適切に保つ効果があります。
そのため、結露の発生を抑え、カビの繁殖を防ぐ効果も期待できます。
2:消臭機能
珪藻土は、空気中の臭い成分を吸着する効果があります。
ペットの臭いやタバコの臭いなど、気になる臭いを軽減する効果が期待できます。
3:耐火性
珪藻土は、ケイ素を主成分とするため、燃えにくく、火災の延焼を防ぐ効果も期待できます。
4:ひび割れ補修の容易さ
珪藻土は、ひび割れが発生した場合でも、重ね塗りすることで簡単に補修できます。
そのため、メンテナンスが比較的容易です。
*デメリット
一方、珪藻土外壁には、以下のようなデメリットも存在します。
1:汚れの落ちにくさ
珪藻土は、水分を吸収しやすい素材です。
そのため、油汚れや泥汚れなどが付着すると、落ちにくいというデメリットがあります。
特に、水洗いだけでは落ちない汚れは、専門会社に依頼する必要がある場合もあります。
2:凝固剤の影響
珪藻土は、固めるために凝固剤を混ぜて使用します。
凝固剤の割合が多いと、調湿性能が低下する可能性があります。
そのため、使用する珪藻土の調湿性能について、事前に確認することが重要です。
3:塗装による調湿機能の低下
珪藻土に塗装を施すと、無数の穴が塞がれてしまい、調湿機能が低下する可能性があります。
そのため、珪藻土の調湿機能を維持したい場合は、塗装をせずに仕上げるか、調湿機能を損なわない塗料を使用する必要があります。
4:塗料の消費量増加
珪藻土は、吸水性が高い素材です。
そのため、塗り替えを行う際に、通常の塗料よりも多くの塗料が必要となる場合があります。
その結果、塗り替え費用が高くなる可能性があります。
5:土壁以外の下地への適応
珪藻土は、土壁以外の下地には適していません。
現在の住宅の多くは、サイディングやモルタルで外壁が仕上げられています。
そのため、珪藻土外壁を採用する場合は、新築時に土壁を採用する必要があります。
□外壁塗装で珪藻土を使用する際の注意点
珪藻土外壁は、施工方法やメンテナンスに注意が必要です。
ここでは、外壁塗装で珪藻土を使用する際の注意点を詳しく解説します。
トラブルを回避し、珪藻土外壁のメリットを最大限に活かすために、ぜひ参考にしてください。
1:台風などの自然災害への対策
珪藻土は、衝撃や雨に弱いため、台風などの自然災害が多い地域では、使用を避けるべきです。
特に、強い風雨や雹などが発生する地域では、珪藻土が剥がれたり、ひび割れたりする可能性があります。
もし、珪藻土外壁を採用する場合は、適切な補強やメンテナンスを行う必要があります。
2:経験豊富な職人の確保
珪藻土外壁は、施工技術が重要な素材です。
そのため、経験豊富な左官職人に施工を依頼することが重要です。
施工不良を防ぐためにも、実績のある会社を選び、事前に施工内容について詳しく説明を受けるようにしましょう。
3:汚れがつきやすい場所への注意
珪藻土は、吸水性が高いため、汚れがつきやすい場所には適していません。
泥はねや油汚れなどが付着しやすい場所には、珪藻土を使用しない方が良いでしょう。
どうしても珪藻土を使用する場合は、定期的な清掃やメンテナンスを行う必要があります。
□まとめ
珪藻土外壁は、調湿性や消臭性など、優れた特徴を持つ一方で、汚れの落ちにくさや施工の難しさなど、デメリットも存在します。
採用を検討する際は、メリットとデメリットを比較検討し、自邸に適した素材かどうか、慎重に判断することが重要です。
また、外壁塗装で珪藻土を使用する場合は、台風などの自然災害への対策、経験豊富な職人の確保、汚れがつきやすい場所への注意など、いくつかの注意点があります。
これらの点を踏まえ、トラブルを防ぎ、珪藻土外壁のメリットを最大限に活かせるよう、計画を進めてください。